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  • 2014.03.05 Wednesday
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政治文明論への招待 10)精神の植民地化:ラテンアメリカとアフリカ

   4日に行った明治学院大学での政治文明論の講義では、ラテンアメリカとアフリカを取り上げました(講義資料はこちら)。植民地主義が及ぼした影響は、地域によって異なります。インド、イスラーム、中国などのユーラシア諸文明と比べて、ラテンアメリカとアフリカは西欧化に対する抵抗力が小さかったといえます。例えば、ラテンアメリカではスペイン語やポルトガル語、アフリカでは英語やフランス語など、旧宗主国の言語が公用語となっているケースがほとんどです。また、コロンブスからとったコロンビアに代表されるように、植民地時代につけられた地名も珍しくないのです。


  ラテンアメリカやアフリカは、なぜ西欧化の波に脆弱だったのでしょうか。いくつかの理由が考えられますが、最も大きなものとしては、地域全体の文明化の程度が低かったことがあげられます。西欧人と接触する以前のラテンアメリカやアフリカでは、いくつかの帝国や王国があったものの、その勢力圏は地域全体を覆うものでなく、都市化されていない生活様式の人々がほとんどでした。これは、以前は「野蛮」や「未開」など劣ったものとしての表象で片付けられていたものです。


  優劣はともかく、「都市化・組織化された生活様式」の乏しさは、外来の文明の浸透に対する抵抗力の低さに比例します。また、ラテンアメリカの場合はインカ帝国がピサロによって壊滅されたように、文明そのものが根こそぎ破壊されました。いずれにしても、近代西欧文明が浸透してきたとき、従来の文明が抵抗力を示せなかった点で、ラテンアメリカとアフリカは共通します。その結果、植民地時代だけでなく、主権国家として独立した後も近代西欧文明の引力からは容易に逃れられないのです。


  もちろん、それはラテンアメリカやアフリカの人々の隅々に至るまで西欧化の波が及んでいるということを意味しません。そうではなく、これらの社会では公式的に西欧的な基準が採用され、それがよいものとされながら、他方で西欧化以前の慣習や規範が生き残るというダブルスタンダードが顕著なのです。例えばアフリカでは国法で一夫一婦制が導入されながらも、実際には昔からの一夫多妻制が広くみられます。つまり、社会全体で西欧化が優位に置かれつつ、伝統的な慣習は「劣ったもの」とみなされながらも生きながらえているのです。


  アフリカの人と話していると、欧米諸国で教育を受けたり仕事をした経験のある人ほど、「怠け者」、「洗練されていない」などの理由でアフリカ人を低くみて、「自分たちが導かねば」と考える人が多いように思います。これは、植民地時代の西欧人の視点です。つまり、西欧人の思考様式に染め上げられる「精神の植民地化(=ポストコロニアリズム)」は現代も顕著なのです。ラテンアメリカでも事情はほぼ同じです。西欧のものを有難がる習性は、いまや世界レベルで確認することができますが、なかでもラテンアメリカとアフリカは、その歴史的経緯からも、「精神の植民地化」の影響が大きいといえるでしょう。


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