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  • 2014.03.05 Wednesday
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選挙制度改革にみる日本の縮図

騰する社会保障費に対応するために、消費税を2015年までに段階的に10パーセントに引き上げる、野田総理が言うところの「一体改革」に民主、自民、公明の各党が基本的に合意しました。その影にかすんでしまっていますが、選挙制度をめぐる協議が三党間で最終的にまとまりきらなかったことは、現在の日本を象徴するようにみえます。

2011年3月、最高裁は前回の衆議院選挙について、一票の価値に最大で二倍の価値があったのは「憲法違反の状態にある」という判断を下しました。今のままで選挙に突っ込めば、いよいよ選挙結果無効という事態にもなりかねません。しかし、消費税引き上げと比較した場合、民主党は自民、公明とのすり併せにほとんど腐心しなかったといえると思います。

6月18日に民主党が衆議院に提出した法案の主な内容は、

・小選挙区は「0増5減」
・比例定数は180を40削減
・比例ブロックを廃止して全国単位に変更
・新たな比例定数140のうち35に連用制を適用

このうち、過疎地など有権者の数が少ない地域の小選挙区を減らす「0増5減」と、比例区議席の大幅削減は、自民党が以前から提案していたないようです。ただし、比例区の削減に公明党は批判的です。他方、小選挙区制と比例制の両方に立候補できる「連立制」ではなく、それぞれを独立させた「連用制」の一部導入といった提案は、公明党が強く要求していた内容ですが、これについては自民党からの異論が根強くあります。いわば、この法案は一種の「寄せ集め」であり、採決されなかったとしても不思議でなく、更に言えば成立させる意思があって提出されたのかすら怪しくなってきます。

選挙制度は、その国の意思決定のあり方を大枠で規定するものです。

イギリス、アメリカ、オーストラリアといった英米圏で広く採用されている小選挙区制は、一つの選挙区から一人しか当選しないため、勝者がはっきりしやすく、結果的に二大政党制に収斂しやすいと言われます。二大政党制は過半数を確保する政党が生まれやすいため、議会で意思決定が迅速に行えるというメリットがある一方、死票が多くなり、少数派の意見が埋もれやすくなるというデメリットもあります。

また、候補に投票するため、政治家と有権者の距離が縮まりやすいのも、小選挙区制の特徴です。アメリカなどでは、それぞれの政治家は「選挙区の代表」であるため、所属する政党に必ずしも拘束されず、議案によっては所属政党と異なる行動をとることも一般的です。そこまでいかずとも、「自分で議席を確保した」という意識が強くなれば、それぞれの政治家にとって政党のもつ重みは小さくなり、いわば結束力の弱い「名望家」の政党になりがちです。民主党や自民党といった大政党の議員のなかに、個別の行動をとることが珍しくないのは、この観点から理解されます。

これに対して、ヨーロッパ大陸の国で多く採用されている比例代表制では、得票数に応じて各政党に議席が配分されます。死票が生まれにくく、社会の幅広い意見を議会に反映させるのに適しているといわれます。一方で、過半数を確保する政党が生まれにくくなり、多くの場合、複数の政党による連立政権が樹立されることになりますが、これは意思決定のスピードを鈍らせ、さらに与党間の調整の結果、多くの妥協を余儀なくされるという側面もあります。

他方で、比例代表制のもとでは、政党の求心力が大きくなります。小選挙区制が政治家本位だったのに対して、比例代表制では各政党の一本化された原則や方針というものが、より重要になってきます。選挙でも政党の名簿順に当選が決まる以上、小選挙区制と比べて、政党の拘束力は強くなり、それぞれの政治家が自由な裁量で行動することは難しくなりがちです。いわば、個々の政治家より先に、政党の理念や原則がある、ということになります。日本で言えば、公明党、共産党、社民党といった、特定の思想信条によって結びついた政党が、議席の多くを比例区で得ていることは、偶然ではありません。

スピード感ある意思決定か、幅広い意見の集約か。政治家個人の意思か、政党の原理・原則か。それぞれに一長一短があることは確かで、どちらが絶対的に優れていると断定することは困難です。そのため、それらをある程度つなぎ合わせることは必要でしょう。

私自身は公明党の支持者ではありませんが、比例代表制は拡充の必要こそあれ縮小すべきでないと思いますし、小選挙区比例代表の「連立制」がいわゆる「ゾンビ議員」の温床になっていたことに鑑みれば、「連用制」の導入に賛成です。しかし、いずれにせよ選挙制度改革案がまとまりきらなかったことは、各政党が自分たちに有利な選挙制度に固執した結果を示します。このままでは、最高裁が「違憲状態」と指摘した選挙制度のもとで、次の参議院選挙が行われる可能性もあります。

翻って、この問題は有権者にも大きな課題を残しています。消費税と比較して、この問題がクローズアップされることは稀でした。その一方で、「議員定数の削減」を求める声はよく聞きます。重要なことは、議員の数ではなく、どのように有権者の意思を政治に反映させるか、であるはずです。その場合、スピードを優先して少数派の意見をある程度抑えることもやむなしと捉えるのか、スピードを犠牲にしてでも多様な意見の発露を重視するのか、その点についての有権者の意思ははっきりしません。

極端なことをいえば、「議員の数を減らして」、「物事をどんどん決める」のがいい政治なら、独裁政治は最高の政治形態ということになります。政治家や政党が自らに有利なゲームのルールにこだわって、つぎはぎの選挙制度を作り出すのは、「党利党略」の批判を免れないでしょう。しかし、同時に、消費者が企業にクレームをつけるように、当事者意識を欠いたままで有権者が困難な二律背反から目を背けて、ひたすら政治家にのみ責任を押し付けても、それは健全な民主主義とは呼べません。社会情勢が閉塞感を増す中、手近なところで妥協を図ろうとするところに、いまの日本の縮図を見出さずにはいられません。

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  • 2014.03.05 Wednesday
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  • 11:00
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コメント
民意を公正に国政に反映させる、
それが一番大切だと思います。
  • トム
  • 2017/02/22 7:15 PM
■ 選挙には2種類ある !!! ■ 
 
選挙には全く性格の異なる2種類の選挙がある。

一つは、大統領や知事等を選ぶ首長選挙。もう一つは、有権者の代理人を国会に送る議会選挙だ。

たった一人の代表を選ぶ首長選挙は、対立候補がおり、当然当選者があれば落選者も出る。
それは有権者の代表を集約する意味から致し方ないことである。

しかし、議会選挙は、有権者の代理人を選ぶ選挙だから、全ての有権者が自分の代理人を国会に送れなけばならない。
民主社会は元々、有権者が一堂に会してそこで議論しことを決していた。
ところが、国の規模が大きくなるとそうも行かなくなる。そこで有権者の代理人を議会に送り、代わりに議論し表決させるようになった。議員のことを代議士と呼ぶのはこの為である。

だから、代理人を送れなかった有権者がいてはならないのである。
小選挙区制は、僅か27%の得票で80%の議席が取れてしまう選挙で、一つの選挙区で見た時、当選した候補者の支持者以外は誰一人として自分の代理人を国会に送れないのである。
当選した候補者以外に投票した有権者の票は、死票として総てドブに投げ捨てられてしまう。

二十年前に小選挙区制になるまでは衆議院は中選挙区制だった。その制度で50年近くやられていたが、得票率で見ると概ね自民党が47%、野党が53%だった。だが、中選挙区制には死票があったから、獲得議席数は概ね自民党が6割、野党が4割になった。53%の得票で40%の議席だから、概ね13%の投票が死票になり、どうしても政権交代できなかった。
 小選挙区制に変ってからは、前々回の総選挙では、得票率は自民党が27%、野党が73%だったが、獲得議席数は、自民党が80%、野党が20%となった。73%の得票で20%の議席だから、何と53%の投票がドブに捨てられたのである。
過半数の票がドブに捨てられると言う現実。これは民主主義にとって致命的である。
この制度は国民を蔑ろにする心からしか生まれて来ない。

小選挙区制は、一つの選挙区から一人だけしか当選しない制度だ。ところが戦後50年間の日本の選挙の歴史を見るとどの選挙区でも支持政党の割合は殆ど同じで自民党が第一党で、時には第二党まで自民党である選挙区が多数あった。この様な政治風土国民性のある国で、小選挙区制を用いると、自民党一色になってしまうことは小選挙区制が導入される前から警告されていた。
譬えれば、水、油、水銀の入った容器が300個あったとする。その上澄みだけを取って集めたら、総て油になってしまう。
水、油、水銀が国民の意見だとすると、油だらけの国会が国民の意見を投影する議会と言えるか? 言えないだろ。

そこでは健全な議論も出来ないし、表決も公正ではない。

議員の発言時間は、政党の議席数に比例している。
だから議席数も国民の各政党の支持率と同じでなければならない。
 
議会の表決では、一議席違っただけで法律が通ったり通らなかったりする。だから一議席は限りなく重い。
本来国民が自民党に与えた議席よりも100議席もあり得ない議席を得てしまう小選挙区制で出来たものは議会とは言えない。その結果出来た法律は正当な国民の支持の下出来たものではない。
だから、小さな首長選挙を集めた様な小選挙区制は議会選挙には絶対に用いてはならない制度なのである。

ただ選挙をやればいいと言うものではない。
民意が議席に反映して初めて議会選挙と言えるのである。
今の小選挙区制下の総選挙は、ただ選挙をやったと言う気分だけを国民に与えている儀式に過ぎない。

民主政治は、政府を議会が監視することで正常に機能する。
だが、今の日本は、国会は形だけのものとなり、政治を監視する機能においては政府だけがあって議会が無いも等しい状態となっている。
これは、フセイン時代のイラクや北朝鮮、中国と少しも変わらない。

国会中継を見るとあたかも厳しく対立しているかのように演じられているが、あれは茶番に過ぎない。
民主主義が行われている様に見せ掛けているだけである。騙されないように。
それは何故かは言うまでもなく、自民党にだけ異常に有利な小選挙区制に大賛成して通して置いて、その結果出てくる法案に反対して見せても欺瞞だからである。本質を見抜くことが大事。
  • トム
  • 2017/02/22 7:41 PM
■ 選挙には2種類ある !!! ■ (続き)

二十年前、野党の結集だとか反自民の結集だとか言う甘い言葉に乗せられて野党の皮を被った自民党の分裂組に投票した結果、国民が何をされたかと言えば、まず小選挙区制で選ぶ権利を奪われ、君が代日の丸法で子供の情操の自由が奪われ、盗聴法で通信の秘密が奪われ、国家機密法で知る権利を奪われ、消費大増税で搾取され、戦争法で戦争に巻き込まれる危険を課され、空き家法で場合によったら財産権まで奪われ、国民葬背番号法でプライバシー権まで奪われ、辺野古サンゴ礁の埋め立てで異常気象の災禍に遭う危険を課され、休眠預金没収法で財産権を脅かされる様になった。民意が反映していない議会が発議した憲法改悪など、例えば、自民党は憲法改悪案の一つとして、緊急時を考えた条文を言い出した。つまり緊急時には国民の基本的人権を一時的に停止する戒厳令だとか、憲法停止条項などが浮上してきた。集会結社、表現の自由、通信の秘密などを無期限に停止することもあり得る。これからどんどん国民の権利は奪われて行くだろう。
選挙をする度に国民の首は絞まり、選挙をすればする程、日本の民主主義は死んでいく。
 小選挙区制によって既に、日本国民の権利、民主主義に王手が掛かりつつあることに気付かないと大変なことになるよ。

この日本の政治の危機から国民を守る方法は一つしかない。それは民意が議席に公正に反映する選挙制度に改革することだ。
民意が議席に公正に反映する選挙制度は一つしかない。それは完全比例代表制である。
 

今のこの歪んだ小選挙区制を比例代表制に変える方法は一つしかありません。

それは、民意が議席に公正に反映する比例代表制に替えて日本の民主主義を回復しようとする政党が集まって、選挙制度改革内閣を作ることです。
比例代表制にすることを目的に、小選挙区総ての選挙区に心ある野党の統一候補を立て、勝利の暁には、直ちに衆参の選挙制度を比例代表制にし、法案成立の後には直ちに衆議院を解散して、新しい選挙制度の下で総選挙をすると国民に約束して、総選挙に臨むしかありません。

残念ながら共産党を含めて野党各党にはその意思はないようです。
だから、国民が衆議院選挙をボイコットするしかありません。
投票率が極限まで下がれば、世界中から何だ何だの注目やら批判を浴びて変えざるを得なくなるでしょう。

いわば無血革命ですが、あなたにそれをする気概がありますか?

それを防ぐ為、今自民党は、18歳選挙権とか駅で投票とかあの手この手で投票率を下げまいとしています。
騙されてはいけません。今こそ、小選挙区制下の衆議院選挙をボイコットする時です。
 

実現するまで、何度でもボイコットしましょう。
欲しがりません勝つまでは。。。。。
 
  • トム
  • 2017/02/22 7:46 PM
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